認知症の介護

どのように認知症の人をケアすればよいのでしょうか?

バリデーション療法「共感して接する」療法

 

バリデーション療法ってなに?

バリデーション療法は、アメリカのソーシャルワーカー:ナオミ・フェイル(72)さんが開発した、認知症(痴呆症)の方たちとのコミュニケーション術のひとつです。
バリデーションは元々、「確認する、強くする、認める」の意味に用いられますが、フェイルさんによると、認知症の人の「経験や感情を認め、共感し、力づける」意味でバリデーションという言葉を用いているそうです。

バリデーション療法の特徴

バリデーション療法の特徴は、痴呆症の方が騒いだり、徘徊したりすることにも「意味がある」として捉え、なぜ騒ぐのか、なぜ徘徊するのかを患者の歩んできた人生に照らして考えたり、共に行動したりするというもので、「共感して接すること」に重点を置いた療法です。
日本でもこの療法に関心を持ち、取り組む組織や人が増えています。

バリデーション療法から見る認知症の症状

フェイルさんいよると、認知症の特徴は次の4段階に分かれるそうです。

  1. 認知障害(認知の混乱)…認識力はあるが、人生に失望しており、他人に不安や怒りをぶつける。
  2. 日時、季節の混乱…今がいつかわからなくなる。
  3. 繰り返し動作…同じ動作を繰り返す。
  4. 植物状態…ほとんど動けず、しゃべれず、目を閉じている。

バリデーション療法例「症状から理由を考える」

バリデーション療法では、様々な形で患者との接点を持ちます。

【症状】

認知症患者が、他人を非難したり盗んだと責めたりすることがある。

【理由】

過去に押し込めた感情を外に出して解決しようとしている。

【治 療】
認知の混乱の場合
施設に居て「家に帰りたい」と泣き出すのに、「家はもうない」「私が居るから大丈夫」といっても解決しません。
解決のためには次章のようなテクニックを提唱しているそうです。
上記の例は、認知の混乱で他人に不安や怒りをぶつけているわけですので、事実のみを尋ねることが大切なそうです。
「いつ」「どこで」などを使い、感情面に触れるような「なぜ」の質問は避ける。
日時の混乱の場合
相手の目を見つめ、低く優しい声で話すことで安心させます。
すると、症状が改善し、会話や行動が落ち着くそうです。
【効果の客観的評価】

避難をしたり不平を言ったり、失禁したりする頻度を評価表を使って点数表示し変化を見ます。

1|2

このページの上に戻る